カルシウムはとれていますか?

特集 No.187 2023年7月発行

日本人のカルシウム摂取量は、ほぼ全ての年代で推奨量より不足しています。


例えば75歳以上の推奨量は1日につき男性720mg、女性620mgに対し、平均摂取量は男性561mg、女性525mgという厚生労働省のデータ(2020年版)があります。

カルシウムをしっかりとるには乳製品、大豆製品、野菜、海藻類など様々な食品をとることが大切です。
また一度にたくさんとっても吸収できるカルシウムの量には限りがあるので、毎日の食事でバランスよくとるのが理想です。


食が細い・毎食きちんととれない場合は、間食などに取り入れるといいでしょう。



カルシウムが不足すると…


筋肉のけいれん、抑うつ(落ち込む、イライラする、眠れないなどが続く)、骨や歯がもろくなる、高血圧になるなどが起こることがあります。

カルシウムを多く含む食品 (カッコの中の数は、その食品の量に含まれるカルシウムの量です)


●乳製品(吸収率が一番良い)

牛乳(200gあたり低脂肪乳に260mg、普通・濃厚乳に220mg)、アイスクリーム(1個200mlに140~210mgくらい)、プレーンヨーグルト(100gに120mg)、チーズ(ベビーチーズ1個20gに126mg)

  • 牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする方は、乳糖不耐症やアレルギーの可能性もあるので「乳糖」「ホエイ」という表記があるものは避けましょう。


●大豆製品

がんもどき(1個に135mg)、木綿豆腐・焼き豆腐・生揚げ(1/3個に120mg)、高野豆腐(1枚に99mg)、調整豆乳(200gに62mg)、納豆(1パックに45mg)

  • 乳製品がとれない方は、色々な風味の豆乳に挑戦してはどうでしょう。

●魚

真いわしの丸干し(1尾に308mg)、わかさぎ(小8尾に293mg)、ししゃも(3尾に224mg)、さば水煮缶(1/2缶に208mg)、煮干し(大5尾に176mg)

  • 骨ごと食べられる魚がより良いです。「小魚とアーモンドのおつまみ」もおすすめです。

●野菜

小松菜(おひたし小鉢1杯に136mg)、水菜(1/2束に126mg)、切り干し大根(乾燥10gに50mg)、白菜(1枚に43mg)、おかひじき(10gに15mg)


●海藻

昆布(10gに78mg)、乾燥ひじき(10gに100mg)

  • おすすめ料理:切り干し大根と高野豆腐とひじきの煮物
    (切り干し大根30g、高野豆腐1枚、ひじき10g。3~4人前でカルシウム349mg。人参や椎茸も加えるとなお良いでしょう。)

●その他

練りごま(大さじ1杯に180mg)

毎日手軽にカルシウムを補給したい!


骨粗鬆症や骨折が心配だからサプリメントや栄養補助食品をとった方が良いか、と相談を受けることがあります。

サプリメントに含まれるカルシウムやビタミンは、食事からとるよりも吸収をよくしている製品もあります。

体内のカルシウムが過剰にならないように注意しましょう。

カルシウムを多くとり過ぎてしまうと…


便秘、食欲不振、悪心・嘔吐、腰痛、腸閉塞、情緒不安定などが起こることがあります。

ただし、食事からの摂取だけでは、極端に偏っていなければ過剰になることはほぼないでしょう。

以下に当てはまる方はサプリメントなどの摂取に注意が必要


  • 腎臓の働きが落ちていると言われている
  • 病院でカルシウムやビタミンDが処方されている

(L-アスパラギン酸カルシウム、デノタスチュアブル、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、アルファロール、アルファカルシドール、ロカルトロール、エディロール、エルデカルシトールなど)


今のご自身にとってサプリメントや健康補助食品が必要かどうかは、かかりつけの医師とよく相談しましょう。


(薬剤師 長手 久美子)

骨を丈夫にするには日光を浴びた方が良いと聞きましたが、どれぐらい浴びるといいの?

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日光浴をすると、カルシウムの吸収を高めたり、筋肉を作ったり、免疫を調整するのに欠かせないビタミンDが体内で作られます。
1日に15分くらい、顔や腕を出した状態で軽く浴びるのがおすすめです。
ただし、肌が赤くなるほどまで紫外線を浴びると、皮膚がんなどにかかるリスクを高めるため注意しましょう。

(薬剤師 長手 久美子)

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