ダイエットについて

特集 No.195 2024年11月発行

秋は美味しい食べ物が多く、冬にかけ寒くなるにつれて低下した基礎代謝を上げようとするため、お腹が空きやすくなります。秋に旬を迎える食材は意外とカロリーが高く、体重増加に注意が必要です。

ダイエットの基本として普段から適切な食事内容、運動量を心がけることが大切です。

食事と栄養について


①脂質

食事の基本として、まず脂質を摂りすぎないことに注意しましょう。脂質は1gあたりのカロリーが9kcalもあり、3大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)の中で1番カロリーが高いです。脂質摂取量をコントロールすることで総摂取カロリーを抑えることができます。


1日の脂質量は1日あたりに必要なエネルギー量の20~30%です。1日に必要なエネルギー量は年齢、性別、活動量により異なります。例えば50~64歳男性の1日あたりのエネルギー摂取量は2600kcal、1日あたりの脂質量は57g~86gが目安となります。


脂質が多い食品、少ない食品の例は以下の通りです。


②糖質

糖質の摂りすぎにも注意してください。食後の血糖値が上がると膵臓からインスリンが分泌され血糖値が下がりますが、余った糖の一部は脂肪として蓄えられます。


糖質制限をする場合、1日3食として1食あたりの糖質は40g程度に抑えるのが理想です。糖質は生きる上では不可欠な栄養素ですので1日の糖質摂取量を70g以下にするような極端な制限は健康を害する可能性があります。


③タンパク質

タンパク質は筋肉量を維持するのに必要な栄養分です。筋肉量を維持することは基礎代謝や消費カロリーを増加させ、脂肪が燃焼されやすくなります。

筋肉量が減ると代謝量も落ち、リバウンドしやすい体になります。またタンパク質を多く摂取することで脂質と糖質の摂取量を抑えることができます。

タンパク質の一日の必要量は「体重(kg)×タンパク質計数(g/kg)」で知ることができます。タンパク質計数(g/kg)は運動習慣なしの方は0.8、運動習慣がある方は1.2~1.4です。例えば体重60kgの人で運動習慣がある人の1日のタンパク質量の目安は72g~84gとなります。

1食分の目安量は指を除いた手のひらの大きさと厚さ分、1日で両手1杯分です。


タンパク質が多い食品の例は以下の通りです。


タンパク質の過剰な摂取は腎臓に負担を与えたり、腸内環境が崩れる場合があるので、摂りすぎには注意しましょう。

適度な運動


1日20分以上の有酸素運動が脂肪の燃焼に効果的です。連続20分できなくても、短時間の運動を数回行い合計20分以上でも効果があります。有酸素運動の例としては、ウォーキング、ランニング、水泳、サイクリングがあります。
足腰が悪く外に出るのが不安な方は、もも上げ運動、寝転んだ状態で足を上げて自転車こぎ、椅子に座って足踏みなど室内でできるものもあります。

朝起きたばかりの時間帯は血糖値が低く効率良く脂肪を燃焼できます。しかし極端な空腹状態で有酸素運動を長時間行うと、体がエネルギー不足になり代謝が落ちて逆効果になることがあります。自分の体調に合わせて無理のない範囲で行ってください。

(薬剤師 福與 珠緖)

肥満の定義はなんですか?

肥満の定義はなんですか?

身長に比較して体重が重い状態です。体格指数であるBMIを用いて評価します。


で求めることができ、BMIが25以上を肥満としています。

(薬剤師 福與 珠緖)

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